最終更新:2026-10-27。このチェックリストは、当社が引渡しのたびにすべてのお客様と一緒に確認している手順です。12項目を、毎回同じ順序で見ていきます。ここに挙げる価格と書類は、現在公開している仕様に準拠しています。
先に結論:12項目の確認順序
検査は、順序を決めて進めるほど確実です。書類、躯体、設備、そして署名。この順番を崩しません。最初から外観に目を向けるのは避けてください。塗装や化粧材は直しやすく、重要度も最も低い項目だからです。
| # | 確認項目 | 合格基準 | よくある不具合 |
|---|---|---|---|
| 1 | 書類一式 | 鋼板ミルシート、断熱材証明書、防火認定、保証書、竣工図 | 証明書の欠落・日付の不備 |
| 2 | 到着時の状態 | ツイストロックの変形なし、フレームのへこみなし、内部への浸水なし | 通気口からの浸水 |
| 3 | 水平と通り | 水平は5 mm以内、躯体と基礎の間に隙間なし | 基礎の不陸 |
| 4 | 溶接と亜鉛メッキ | 隅角部の連続溶接、メッキ焼け箇所の補修 | 溶接焼けの放置 |
| 5 | パネル目地・シーリング | ガスケットの密着、目地からの光漏れなし | 隅柱の隙間 |
| 6 | 散水試験 | 10分間のホース散水で、隅角部・開口部からの浸水なし | 窓台からの漏水 |
| 7 | ドアと窓 | 開閉が円滑、錠前のかみ合わせ良好、隙間風なし | 輸送中に生じた枠の歪み |
| 8 | 電気 | 漏電遮断器(RCD)の動作、接地(アース)の導通、遮断器容量の適合 | 鉄骨フレームへの接地(アース)未接続 |
| 9 | 給排水 | 常用圧力の1.5倍で30分間の圧力試験 | 継手からのにじみ |
| 10 | 断熱と結露 | 防湿層の連続、躯体フレーム部に熱橋なし | 隅角部での断熱材の圧縮 |
| 11 | 防火 | A種断熱材の証明、消火器の設置、避難経路の確保 | 断熱材の差し替え |
| 12 | 是正項目リストの作成と署名 | 全項目の日付、担当者の明示、保証開始日の合意 | 口頭だけで片付けられた項目 |
検査の時期:ユニットを基礎に据え付け、接続を終えた後、最終支払のマイルストーンに入る前に実施します。到着日だけの検査では足りません。不具合の半分は、建物を閉じ切って気密を確保した段階で初めて表面化します。
1. 書類一式を先に揃える
現場を歩く前に、次の5点を出してもらってください。1つでも欠けていれば、その時点で検査は始まっていません。
- 鋼板ミルシート:躯体とパネルに使った鋼板コイルの材質・板厚・亜鉛メッキ付着量(当社はQ235、亜鉛メッキ30 g/m²、GB/T 2518-2019に適合)
- 断熱材証明書:サンドイッチパネル芯材の密度と防火等級
- 防火認定の証拠:販促資料の記載ではなく、A種の試験結果または材料宣言
- 保証書:瑕疵担保の対象範囲、保証期間、起算日
- 竣工図:実際に施工した配置、構造開口部、設備の取込み位置(見積時の図面ではなく、施工後の図面)
当社の書類一式(ISO 9001/45001/14001、ロックウールのEN 13162に基づくCE適合宣言、A種ロックウール証明書、鋼板ミルシート)は会社概要ページで公開しています。受け取った書類と、当社が公表している内容を突き合わせてください。
2. 荷降ろし前に到着状態を確認する
ユニットがトラックやトレーラーに載っているうちに検査してください。地面に降ろして水平を出してしまうと、輸送中の損傷を証明する責任は施主側に移ります。
- ツイストロックとコーナーキャスティング:変形なし、亀裂なし
- フレーム端部:5 mmを超えるへこみは、フォークリフトやクレーンの接触痕です
- 内部:水溜まりなし、パネルの結露なし
- 荷姿:隅角部の養生が残っていること、ガラス面のラップに破れがないこと
吊り上げ前に、すべて写真に収めてください。輸送に起因する損傷なら、請求先は運送事業者です。荷降ろし後に撮った写真では、まず請求は認められません。
3. 水平と通りを確認する
コンテナハウスの出来は、基礎の精度で決まります。1ユニットにつき4点に水準器を当て、あればレーザーも併用してください。
- 水平の許容差:20ftユニットで5 mm、40ftユニットで8 mm
- ベースフレームと基礎パッドの間に隙間がないこと
- アンカーボルトやストラップが図面どおりに付いていること(「後日対応」は認められません)
基礎の不陸は、引渡しから3か月後に報告されるドアの建付け不良の最大の原因です。後から直そうとすると、建物全体を再レベル調整するしかありません。
4. 溶接と亜鉛メッキを検査する
ユニットを閉じたまま外周を一周します。見るのは、溶接の連続性とメッキの補修、この2点だけです。
- 隅角部の溶接:連続していること、ピンホールなし、表面にスパッタの残りなし
- 溶接焼け:亜鉛メッキが飛んだ箇所は、ワイヤブラシで下地を整え、ジンクリッチペイントを塗ること
- 錆:引渡し時点で錆なし。点在する錆は、輸送中にメッキが傷ついた証拠です
溶接焼けを放置したユニットは、雨期を1回越えただけで錆が出ます。5分の確認が、5年分の悩みを防ぎます。
5. パネル目地・ガスケット・シーリング
内側から目地に手を沿わせ、光が漏れていないか見てください。
- ガスケットの圧縮:全長にわたって均一で、隅角部に隙間がないこと
- シーラント:連続したビードで、ヘラ処理済み、ひび割れや空隙がないこと
- 隅柱:漏水リスクが最も高い箇所。内側と外側の両方を見ます
- 床と壁の取合い:シールされていること。とくにシャワーやキッチンのあるユニット
6. 散水試験をきちんと行う
乾いた日の目視点検には、何の意味もありません。ホースを用意してください。
- 各面を2〜3分ずつ、下から上へ向けて散水する
- 窓台、ドアの敷居、隅柱、屋根と壁の取合いを重点的に散水する
- 内側に懐中電灯を持った人員を1人置き、目地と床端部を見てもらう
- 試験時間の合計:1ユニットあたり最低10分
浸水があれば、写真と位置の説明(「北西の隅角部、床から400 mm」)を添えて記録してください。曖昧な指摘は、後で必ず揉めます。
7. すべてのドアと窓を操作する
すべての開口部で、開閉と施錠を最低2回ずつ試してください。
- 引き戸:引き摺りなし、ラッチが力を入れずにかかる
- 窓:どの位置でも開いた状態を保つ、閉じた状態で隙間風なし
- 錠前:鍵が滑らかに回る、ハンドルが定位置に戻る
- 網戸・ブラインド:取り付いていて動作し、枠に干渉していない
ドアが引き摺るなら、枠が歪んでいます。ドア本体を調整する前に、その隅角部の水平を再確認してください。
8. 電気の安全:外せない5つの試験
安価な物件が手を抜くのが、この部分です。証明書があることと、施工が適切であることは別問題です。
| 試験 | 方法 | 合格基準 |
|---|---|---|
| 漏電遮断器(RCD)の動作 | 各漏電遮断器のテストボタンを押す | 300 ms以内に動作 |
| 接地(アース)の導通 | コンセントの接地極と鉄骨フレーム間を測定 | 1 Ω未満 |
| 絶縁抵抗 | 電路と大地間を絶縁抵抗計で測定 | 1 MΩ以上 |
| 遮断器の容量 | 引込電源とケーブルサイズに照合 | 系統表どおり |
| コンセントの極性 | 全コンセントをテスターで確認 | L-N-Eが正しい |
あわせて、分電盤にラベルがあること、未使用の回路が盲板でふさがれていること、鉄骨躯体への主接地が目視でき、点検できる状態であることも確認してください。
9. 給排水の圧力試験
ユニットを現地の給水に接続する前に、必ず試験してください。
- 系統に水を満たし、エア抜きをしてから常用圧力の1.5倍まで加圧する
- そのまま30分間保持する。0.5 barを超える圧力降下は漏れのサインです
- 目視できるすべての継手をティッシュで拭く。にじみは湿りとして現れます
- 給湯器があるユニットは、温水と冷水を別々に試験する
- 排水の勾配も確認する。水が溜まらずに流れること
10. 断熱と結露
パネルを張ってしまえば、断熱材はもう見えません。証明書と熱橋、2つの方向から確認してください。
- 証明書:密度と防火クラスが記載され、ロット番号が納品と一致していること
- 熱橋:寒い日に隅角部や開口部周りのフレームに触れる。冷たく湿った帯があれば、防湿層が破れています
- 防湿層:内装下地の裏側で連続し、すべての貫通部でシールされていること
- 換気:小口径の給気口や機械換気が機能していること。とくに浴室とキッチン
最初の冬に出る結露のクレームは、ほぼ例外なく隅角部の防湿層の破れに起因します。断熱材そのものが原因ではありません。
11. 引渡し時点の防火
- 実際に施工された断熱材が、認定A種品と一致することを確認する。納品書のロット番号を求める
- 消火器:200 m²あたり1本、設置済み、薬剤充填済み、点検票あり
- 避難経路:ふさがれていないこと。すべての寝室に開閉できる窓があること
- 煙感知器:居室と寝室に設置し、試験済みであること
- 貫通部:ケーブルや配管がパネルを貫く箇所に、防火措置が施されていること
12. 是正項目リストを作成し、保証の起算を合意する
書類がそろうまで、検査は終わりません。
| 列 | 記録する内容 |
|---|---|
| 項目番号 | 連番。写真と紐付ける |
| 場所 | ユニット番号+説明(例:「3号棟、北東の隅柱」) |
| 不具合 | 解釈ではなく事実を書く(例:「目地に4 mmの隙間」) |
| 重要度 | A=安全・止水、B=機能、C=外観 |
| 担当 | 供給者または施工者を氏名で |
| 目標日 | 合意のうえ書面で |
| ステータス | 未解決/解決済み/現状のまま受入れ |
検査を始める前に、契約へ入れておきたい条項が2つあります。保証の起算は引渡し署名の時点(船積み時ではない)とすること。留保金(リテンション)は、AとBの全項目が解決した時点で初めて支払うこと。
引渡し後30日間のチェックポイント
問題なく引き渡した物件でも、使い始めてから不具合が出てきます。7日目・14日目・30日目に、次を確認してください。
- 7日目:隅角部の新たな水染み、ドアの引き摺り始め、朝のフレームの結露
- 14日目:漏電遮断器(RCD)の再試験(通電から1週間ほどで誤動作が出やすい)
- 30日目:不同沈下の確認 — 再レベル調整、ドア建付けの再確認、シーラントのひび割れ点検
見つけたことは必ず記録してください。最初の30日間にきちんと対応する供給者こそ、次の発注でも付き合いたい相手です。
よくあるご質問
引渡し検査には誰が立ち会えばよいですか。
供給者の品質管理担当者、施工班の責任者、そして署名権限を持つ施主側の担当者です。輸入の場合は、引渡しに立ち会う現地の第三者検査員を雇ってください。半日ほどの検査費用は、是正で1回現場に足を運ぶより安く済むのが普通です。
引渡し検査にはどれくらい時間がかかりますか。
20ftユニット1台で2〜3時間、複数台のキャンプ仕様なら半日です。散水試験だけで1台あたり10分、給排水の圧力試験にさらに30分かかります。急がず、時間を確保して臨んでください。
最終支払の前に検査できますか。
できますし、そうすべきです。AとBの項目がすべて解決した引渡し報告書に署名した後で最終支払をリリースする形に、契約を組んでください。この条件を渋る供給者は、それ自体が一つの情報です。
断熱材が証明書と一致しない場合はどうすればよいですか。
そのロットは受け取りを拒否してください。防火等級と断熱性能は宣言された性能です。差し替えは軽微な相違ではなく、うたった仕様と別物を納めたのと同じです。納品書のロット番号と証明書のロット番号を並べて出させてください。
コンテナハウスに第三者検査員は必要ですか。
1台だけなら、本チェックリストを持つ有能な現場技術者で通常は足ります。20台以上のキャンプ仕様や、プロジェクトファイナンスが付く案件では第三者検査が標準で、是正項目を確実に片付けることで費用は回収できます。
署名時にどのような書類を受け取るべきですか。
開始日を記載した保証書、竣工図、電気試験の結果、給排水の圧力試験記録、材料証明書(鋼板、断熱材、防火認定)、設置機器がある場合はその取扱説明書です。
関連ガイド
- コンテナハウスの品質検査:工場監査と品質管理 — 同じプロセスの出荷前段階
- コンテナハウスの設置:完全ガイド — 基礎、吊上げ、接続
- コンテナハウスの輸送と海上運賃 — 工場から現場までの流れ
- コンテナハウスのコストガイド — 見積価格に含まれるべき内容
- 技術データシート一式 — 技術者に送付できる仕様書